原作のアイデアは、
1)エイリアンの細胞が体内に侵入し人間ソックリのエイリアンに変身する
2)仲間の誰かがエイリアンであるかも知れないという恐怖3)外部と隔絶した南極大陸の観測基地という密室
の3点ですが、『ファーストコンタクト』でもこの3点を踏襲しています。
エイリアンと南極は映画の構成上仕方がないですが、3)まで借りてくると殆ど前作と同じで、リメイクに他なりません。VFXの技術が進歩した分、エイリアンはよりグロテスクになってますが、映画としての新鮮味はありません。前日譚ですから、『プロメテウス』の様に新しいプロットを加えてほしいものです。と思ったんですが、原題を見るとどちらも“The Thing”。邦題の『ファーストコンタクト』は余分で、リメイクなんでしょうね。
『遊星からの物体X』の主演はカート・ラッセルで、女性がひとりも登場しませんでしたが、『ファーストコンタクト』の主演は女性。『エイリアン』のリプリーの如く、仲間の隊員からエイリアンを見つけ出して火炎放射器で焼き殺します。おまけにUFOに侵入して手榴弾で爆破、航行不能にするという快挙。ここでも、人類を絶滅の危機から救うのは女性ということになっています。
でどうかと云うと、この程度のホラー、スプラッターでは誰も驚きません。
監督:マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr.
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド ジョエル・エドガートン