映画 アウェイ・フロム・ハー君を想う(2006加) [日記(2013)]
原題はaway from herですから、「彼女から遠く離れて」となり、「君を想う」という文言がくっつくと、これはもうラブストーリーということになります。ところが最後まで見ると、これはラブストーリーどころか、辛口のドラマだということが分かります。何も、アルツハイマーが背景になっているということだけではありません。
原作は、先日ノーベル文学賞に輝いたアリス・マンロー、監督が、『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたになら言える秘密のこと』のサラ・ポーリー。
元大学教師グラント(ゴードン・ピンセント)とフィオーナ(ジュリー・クリスティ)夫婦の物語です。結婚して44年、カナダの田舎に隠棲して暮らすふたりに、突然老いが襲いかかります。フィオーナがアルツハイマーを発症したのです。家に帰れなくなったり、ワインの名前を忘れたり、自分が消えてゆくようだというフィオーナの言葉は、身につまされます。アルツハイマーは、最近の記憶は消えてゆきますが昔の記憶は残っているようで、ふたりの過去が徐々に明らかにされます。グラントは大学教師の頃、教え子との浮気騒動をお越し、再出発のために20年前にこの田舎に引っ越してきたようです。フィオーナは、グラントが女子大生と手当たり次第に付き合い、それでも私を棄てなかったと言います。グラントの身勝手を非難するでもなく、妻を棄てなかった彼を褒めるでもなく、この言葉は、通奏低音としてストーリーの最期まで奏でられます。
Life log 2013 [日記(2013)]
今年はなかなか充実していました。毎週1冊という目標もクリア、中身も★4つ以上が多く本の選択も間違っていなかったと思っています。何といっても『源氏物語』。かねがね読みたいと思っていたのですが、与謝野・源氏に躓き、リンボウ先生の「謹訳」が読みやすいと評判だったので再挑戦しました。これが面白い、とても1000年前の小説とは思えません。
★5つは、
澤地久枝 『密約 外務省秘密漏洩事件』、『妻たちの二・二六事件』浅田次郎『終わらざる夏』横山秀夫『64 ロクヨン』吉村 昭 『漂流』ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』スティーブン・キング『ドロレス・クレイボーン』
BSシネマ 最後の忠臣蔵(2010日) [日記(2013)]
BSシネマ ビフォアー・サンセット(2004米) [日記(2013)]
『恋人までの距離 ディスタンス』で、列車で知り合ったアメリカ青年ジェシー(イーサン・ホーク)とフランス女性セリーヌ(ジュリー・デルピー)が、ウィーンで途中下車し一晩街を彷徨うという、現代ではまれに見る「純愛」映画でした。ふたりは、6ヶ月後の12月に再会を約してホームで別れていますから、続ではこの「再会」が焦点になります。はたしてふたりはどんな再会を果たしたのか。
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映画 サラの鍵(2011仏) [日記(2013)]
ナチのホロコーストを背景とした映画です。1942年に屋内競輪場に「狩り集め」られたパリのユダヤ人(ヴェル・ディヴ事件)の運命を描いている点で、『黄色い星の子どもたち』とよく似ています。女性ジャーナリストが、1942年のユダヤ人少女サラの姿を追うというミステリの構図をとり、現在と1942年の過去のふたつの時間軸を持つ映画です。
ナチに命じられたヴィシー政権は、ユダヤ人をアパートから追い出し、屋内競輪場に集め、男女子供を分けて各地の収容所に送りました。ジュリアのアパートにも多くのユダヤ人が住んでおり、転居予定のアパートの部屋には1942年当時スタルジンスキという一家が住んでいたことが判明します。スタルジンスキ夫妻は東欧の収容所で殺されていますが、ふたりの子供、サラ・スタルジンスキとその弟は行方不明となっていることを知り、ここからジュリアのサラ姉弟探索が始まります。
ジョン・スタインベック 怒りの葡萄(2) [日記(2013)]
(1)の続きです
【カリフォルニアの実相】
カリフォルニアを目指しルート66を西に向かうジョード一家の物語です。砂嵐とトラクターによってオクラホマを捨てたジョード一家は、カリフォルニアで再起を図ろうとしますが、その家族の絆にほころびが出始めます。祖父が死に、長男が失踪して脱落し、トラックによる旅に耐え切れず祖母まで亡くなります。
さらに不吉な兆しが現れます。何十万という‘ジョード一家’がカリフォルニアを目指しますが、逆にルート66を東に向かう人々が現れます。彼等は、仕事の無いカリフォルニアから故郷に戻ろうとする人々です。ジョード一家は、果実摘みの労働者を募集するという宣伝チラシを信じてカリフォルニアを目指したわけですが、彼等によると、過剰な労働力を中西部から集めるためにチラシをばらまいたということです。どういうことかと言うと、
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BSシネマ ロング・ライダーズ(1980米) [日記(2013)]
伝説のジェッシー・ジェームズ強盗団を描いた西部劇です。『J・ジェームズの暗殺』という映画を見たのですが、よくわからなかったというのが正直なところです。今回もよく分からない(笑。この南北戦争直後の銀行強盗は、米国では一種‘義賊’として人気があるようですが、何故人気があるのか、伝説となったのか日本人の我々には分かりません。鼠小僧や五右衛門伝説のようなものですかねぇ。
ひとつだけ分かったのは、根は南北戦争にあるということです。戦争終結が1865年で、この戦争で南軍に従軍したジェームズ兄弟が強盗を始めるのが1866年。南北戦争後の混乱した世相を背景に暴れまわったようです。
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映画 シャイニング(1980英米) [日記(2013)]
映画 光の旅人 K-PAX(2001米) [日記(2013)]
レンタルショップのSFの棚にありましたからSFということにしておきますが、ロケットも宇宙船も宇宙人も登場しない「SF」映画です。いや、宇宙人は登場するんですが、ケヴィン・スペイシーその人です。
地球にやって来たK-PAX星人プロート( ケヴィン・スペイシー)と、プロートの正体を探る精神科医マーク(ジェフ・ブリッジス)の物語です。『アメリカン・ビューティー』のロリコン・オヤジははたして宇宙人なのか?という映画です(笑。
プロートは、かっぱらいと間違われて逮捕され、自分は宇宙人だと名乗ったために精神病院に送られます。プロートは、1000光年彼方のこと座、太陽を2つ持つK-PAX星から来たというのですが、どこから見ても人間そのもの。なぜ人間の姿をしているのかというマークの問いに、プロートはこう答えます。泡はなぜ丸いのか?それがもっとも合理的な姿だから。地球上で一番合理的な姿は人間であり、プロートは人間の姿をしているというわけです。地球は明るすぎるから、いつもサングラスをしているらしいです。
見ている方は、ケヴィン・スペイシーが真面目な顔でサングラスの宇宙人を演じるのですから、笑ってしまいます。このオスカー俳優は、個性的な役柄が多いのですが、今度は宇宙人です。
オールドレンズで絵日記 金剛山初雪 [日記(2013)]
夕日の金剛山
窓からのぞくと、金剛山が白くなっていたので、久々に撮ってみました。 E-PL1s+Zuiko Auto-Zoom 75-150mm F4です。約18kmの距離です。
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