有名なスパイ、ゾルゲです。著者のふたりはオックスフォードの歴史学者のようですが、歴史書というよりゾルゲ、ゾルゲ事件に関するノンフィクションです。諜報を英語ではインテリジェンスと言いますが、本書を読むと、諜報=intelligence(知性、情報)であることがよく分かります。
 リヒャルト・ゾルゲは1933年~1941年にわたる8年間、ドイツの新聞社特派員として日本に潜入し、諜報団を組織し赤軍四部(情報部門)に日本の政治・軍事状況を送り続けたソ連スパイです(ドイツとの二重スパイ説もあります)。