髙村薫は新刊が出ると欠かさず読んでいます。まぁファンです。髙村センセイは、最近はブンガクづいてドフトエフスキーなどを意識した小説を発表していますが、出発はミステリー作家。センセイのデビュー作『黄金を抱いて翔べ』が映画になったというので見てみました。監督は『パッチギ』の井筒和幸。

 髙村薫は、エッセイ集『半眼訥訥』の中で、『黄金を抱いて翔べ』は大阪の夏の暑さが主人公であると書いています。大阪の蒸すような暑さが主人公たちに妄想を植え付け、金塊強奪が計画され住友銀行本店?の地下金庫が襲われます。夏の暑さ云々は、犯行動機が不鮮明だと評されたことに対する作家なりの答えなんでしょうが、この辺りを大阪人の井筒和幸がどう描くのかも楽しみです。