原題は“Bend of the River”。何で『怒りの河』なんだ?と思わないでもないですが、河をはさんで物語が展開しますからそうなんでしょう。河が蛇行するように、いいことがあったり悪いことがあったり人生も蛇行するよ、ということなんでしょうか。ポートランドが出てきますから、地図で見るとこの「河」はコロラド川、ウィラメット川ですね。

 グリン(ジェームズ・スチュアート)を先頭に、幌馬車の一団がオレゴンの開拓地をめざします。グリンは道案内に雇われたようで、開拓団の一員ではありません。オレゴンに着いて、気が向いたら牧場か農場でも始めようかという軽い気持ちで開拓団の道案内を引き受けたようです。
 グリンは、途中で馬泥棒をはたらいてリンチに合っていたコール(アーサー・ケネディ)を助けます。名乗り合った後、ふたりは「あんたがミズーリのリン・マクリントックか」「お前がカンザスのエマーソン・コールか」と言っていますから、そうとう有名なガンマンか何かなんでしょう(実はこれが伏線です)。
 インディアンの襲撃を受け、開拓団のリーダーの娘ローラ(ジュリー・アダムス)が矢を受けて負傷し、グリンとコールは協力してこれを撃退します。この先グリンとコールのコンビが開拓団を引っ張ってゆくんだろうな、ローラはふたりにどう絡むんだろうという幕開けです。実は、ところがドッコというのが、この映画の要なのです。