引き続き『リンボウ源氏』です。光源氏というのは、女好きで、女性をモノにするためには平気で嘘もつくという、あまり褒められた青年ではないですね。

【夕顔】
六条のあたりのさる女のところへお忍びで通っていた時分のことであった。ちょうど内裏からその六条へ通う途中の中休み所として、源氏は五条にある乳母の大弐の家を探して訪ねていった

とありますから、あの有名な「六条御息所」ですねぇ、化けて出るんでしょうか。乳母の息子で「惟光」というのも登場します。本帖でも夕顔と源氏の仲を取り持ったり後始末をしたり大活躍します。
 この乳母の隣の家の庭に白い夕顔が咲いているのを見て、源氏はお供の者に取って来ることを命じます。すると可愛らしい童女が現れて、これに乗せれば、と香を焚き込めた白い扇を差し出します。これがきっかけで、源氏の新しい恋愛がはじまります。でもってその女性の名は「夕顔」。