カミュなんて読むのはン十年ぶりです。学生時代に仏語の授業で「異邦人」を読まされて以来カミュは鬼門。たまたま百円で仕入れたので読んでみました(動機不純)。宮崎嶺雄訳の新潮社版(1969年)が未だ流通しているようで、読んだのはこれです。

【登場人物】
 ペストの発生したアルジェのオランで、閉鎖された街でペストと闘う人々の物語です。主な登場人物は、

リウー:主人公、医師。ペスト患者の治療に当たる。
タルー:正体不明の金利生活者、オランに住むようになって日が浅い。保険隊に参加しリウーを助ける。オランの惨状を手帳に書き留めている。
ランベール:オランを訪れた新聞記者。パリの恋人が心配で、オランから逃げ出そうとする。後、保険隊に加わる。
グラン:市役所の吏員、作家を目指している。保険隊に加わる。
コタール:自殺を図りグランに助けられる。密売等で警察に追われているが、ペスト騒ぎによって捜査が止まり喜んでいる。
パルヌー:神父。ペストを神がもたらした厄災だと考える。オトン神父の息子の死に立ち会い、宗教上の岐路に立たされる。
オトン:予審判事。ペストで息子を亡くし、リウーたちに協力する。