『犯罪大通り』『白い男』の続きです。

 主演のアルレッティは40半ばのオバサン、ジャン=ルイ・バローも二枚目とは言い難い。そんなふたりのすれ違いのメロドラマのどこが「映画史に燦然と輝く名作」なのか分かりませんが、3時間10分をそれほど長いとも思わず見てしまいます、3回見ました(笑。それは、『天井桟敷の人々』がまごうかたなき「メロドラマ」だからです。

メロドラマ:扇情的かつ情緒的風合いの濃厚な、悲劇に似たドラマの形式。悲劇と違い、登場人物の行動から人生や人間性について深く考えさせるというよりは、衝撃的な展開を次々に提示することで観客の情緒に直接訴えかけることを目的とする。(wikipedia)

【古着屋】
 『天井桟敷の人々』には、映画のテーマを象徴する劇中劇がいろいろ出てきます。女神をめぐるピエロとギター弾き、ルメートルの演じる「オセロ」は分かりやすいですが、ガランスが見に行ったフュナンビュール座の「古着屋」にどんな意味が隠されているのでしょう。