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映画 フェイス/オフ(1997米) [日記(2014)]

フェイス/オフ 特別版 [DVD]
 FBI VS. テロリストのアクションものです。FBIの敏腕捜査官にジョン・トラヴォルタ、テロリストにニコラス・ケイジを起用し、このふたりが派手に暴れ回ります。が、変わっているのは、顔を入れ替えて、ジョン・トラヴォルタがテロリストにニコラス・ケイジがFBIと攻守入れ替わります。故にタイトルが「フェイス/オフ」。「転校生(1982日)」のアチラ版のアクション映画です。

 テロリストのトロイ(ニコラス・ケイジ)は、FBI捜査官のアーチャー(ジョン・トラヴォルタ)の暗殺に失敗して、アーチャーの息子を殺してしまいます。これがマクラで、ラストシーンにもつながります。
 飛行機で逃げるトロイとそれを車で追うFIBの追いつ追われつのアクションはなかなかの迫力。トロイ一味はFBIに捕まってしまい、トロイがロサンゼルスに生物兵器を仕掛けたことが判明します。で、アーチャーがトロイに化けて潜入捜査をすることになります。この潜入捜査というのが、外科手術でアーチャーがトロイの顔を付けて捜査するというもので、それはないだろー。トロイの顔を剥がしてアーチャーに移植し、外したアーチャーの顔は保管。トロイはホラーな顔でアーチャーの帰りを待つというものです。
 ところがです。トロイも黙ってはいません。外科医を脅してアーチャーの顔を移植させます。ここに目出度く、アーチャーの顔を持ったトロイと、トロイの顔を持ったアーチャーが出来上がります。SF映画の場合、肉体はそのままで精神というか意識だけ入れ替えるのが普通なのですが、それではリアリティがでないと考えたんでしょうね。

 トロイの顔を持ったアーチャーが潜入捜査、アーチャーの顔を持ったトロイはFBIに出勤します。笑いますが、これは見せてくれます。謹厳実直、仕事一筋のアーチャーが、女好きで陽気なアーチャーに変身するわけですから、周りはビックリします。仕事で家庭を顧みなかったアーチャーが奥さんにベッタリ、グレてる娘にタバコを薦めて唖然とされたりで、家でもどうなってるの?です。ジョン・トラヴォルタのこの落差の演技もなかなかのものです。『ヘアースプレー』とか『団塊ボーズ』を見ているので、地でやってるんだろうとも思うんですが。
 
 FBIのトロイは、自分の仕掛けた生物兵器のタイマーを解除してロサンゼルスを救い、一躍英雄となります。テロリストを一掃するとか言って政府から金を引き出し、FBIを乗っ取るために長官を心臓麻痺に見せかけて殺したり、やりたい放題。
 ただですねぇ、この替え玉作戦を仕切っている黒人のFBI捜査官いるわけですから、出張中(ということになってます)のアーチャーが急に現れたとなれば、それはトロイだと気づく筈ですが、そういう細かいことは映画ですからナシ。
 トロイの顔を持ったアーチャーはというと、FBIに捕まって脱走不可能な刑務所に入れられます。おれはアーチャーだと言っても誰も信じてくれません。
 
 もひとつ面白いのは、偽アーチャーも偽トロイも、それぞれアーチャーとトロイの生活、環境に馴染んでしまうことです。アーチャーには奥さんイヴ(ジョアン・アレン)とパンクな娘がいるのですが、この家庭環境に違和感なく溶け込んでしまい、良き夫良き父親を演じてしまいます。偽トロイも、恋人の息子が自分(トロイ)の子供であることを打ち明けられ、(トロイに殺された息子のイメージがダブリ)段々本物のトロイに傾斜してゆきます。このトロイの隠れ家をFBIが襲うわけですが、最初は同僚を撃つことに抵抗のあった偽トロイも、最後はFBIにマシンガンをぶっ放す始末。狼の皮を被った羊は狼になり、羊の皮を被った狼はやがて羊になるという、かなり哲学的な映画です(笑。

 哲学的な映画であるわけはなく、派手なドンパチとモーターボート・チェイスの末、トロイは死に、偽アーチャーの「偽」がとれハッピーエンドとなります。しかし、アーチャーがトロイでトロイがアーチャーで・・・というややこしい映画です。冒頭のアーチャーの子供が殺される話は、ラストで、トロイの子供をアーチャーが引き取るというオチに繋がります。

 でお薦めかというと、「フェイス/オフ」というアイデアも楽しいし(笑うけど)、派手なアクションもあってこれはお薦めです。

監督 ジョン・ウー
出演:ジョン・トラヴォルタ ニコラス・ケイジ ジョアン・アレン

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