ストーリーは単純で、殺人犯レニー・ゼルウィガーを弁護士リチャード・ギアが無罪に導き、最後はクラブ歌手として成功するというたわいもない話しです。拘置所や法定までミュージカルで笑い飛ばしてしまおうというのですから楽しいです。この「軽さ」が『シカゴ』の身上です。
オープニングでキャサリン・ゼタ=ジョーンズ(映画ではヴェルマ)がナイトクラブで歌って踊るのですが、これが圧巻。後ほど明らかにされますが、ヴェルマは、浮気した夫と妹を射殺した足で舞台に駆け上がったという設定です。
クラブ歌手に憧れるロキシー( レネー・ゼルウィガー)は、シカゴの有名クラブのマネージャーを知っているという家具セールスマンに身を任せてしまうのですが、これが真っ赤な嘘。頭にきたロキシーはこのセールスマンを撃ち殺してしまいます。歌って踊れない レネー・ゼルウィガーはこういう地味な登場となります(笑。
で、ロキシーは逮捕勾留されますが、この拘置所の女看守・通称ママ(クイーン・ラティファ)の登場がまた振るっています。まずクラブ歌手として派手に登場して、そのあと看守に戻ります。クイーン・ラティファは有名な歌手のようです。この女看守は、囚人(未決囚)から金を取って便宜を図っているというよくある悪徳?看守。
この拘置所には、妹と夫の殺人容疑でヴェルマが収監されています。拘置所を描くのもミュージカル。ヴェルマ以下6人の殺人犯が、身から出たサビで男は殺された、と歌って踊ります。これも圧巻。
リチャード・ギアも、オレが欲しいのは金ではない、愛だ!と歌とダンスで登場します。ところがこの弁護士ビリーは、法外な弁護料を取って女性の殺人犯を無罪にしてしまう悪徳?弁護士。登場人物がすべてまともな市民ではないというところが、この映画のミソです。
いや一人まともな登場人物がいました、ロキシーの夫エイモス(ジョン・C・ライリー)。そう、ロキシーは人妻なんですねぇ。エイモスは、ロキシーのために殺人の身代わりとなったり、高額な弁護料を工面したり、三枚目に徹しています。この人も、登場は地味ですが、中盤で三枚目の歌を朗々と歌います。
といようなミュージカルです、どんな?(笑。お薦め、見て損はないと思います。
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー リチャード・ギア キャサリン・ゼタ=ジョーンズ クイーン・ラティファ ジョン・C・ライリー