【第7章 同志仲間】
 ここまで読んできて、ピョートルの悪役ぶりばかり目につきます(スタヴローギンは影が薄い)。第7章「同志仲間」では、ピョートルによってヴィルギンスキーの家で「あの会」が開かれます。スタヴローギン、キリーロフ、シャートフ、リプーチン等おなじみの人物を含め20人ほどが集まります。
 新たに登場したヴィルギンスキー、その妻アリーナ、シガリョフ達が勝手に喋り散らすだけで何が論議されているのか全く不明。フーリエについての意見も出ますから、これは、ドストエフスキーが死刑宣告をうけ、恩赦でシベリアに流される原因となった「空想的社会主義サークル」の戯画かと思われます。