『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の続編です。と言っても『アーニャ』はノンフィクションで、こちらは小説。『アーニャ』では、1960年代の在プラハ・ソビエト学校(ソヴィエト大使館付属8年制普通学校)で過ごした同級生の昔と今が語られましたが、本書ではソビエト学校のダンス教師オリガ・モリソヴナの謎を描くミステリです。1992年のモスクワの視点で、1960年代のプラハ、1930年代のソ連が描かれることになります。
 日本人の著者が何故この学校に在籍することになったかは、『アーニャ』をご参照。

 ロシア語翻訳家の志摩は、社会主義体制崩壊後のモスクワに在プラハ・ソヴィエト学校の同級生カーチャを訪ねます。目的は、ソヴィエト学校で圧倒的な存在感を示し、志摩に影響を及ぼしたダンス教師オリガ・モリソヴナにまつわる謎を解くためです。