「記憶喪失もの」というジャンルがあるのかどうか知りませんが、ソレです。記憶喪失にマッカーシズムを絡めて、最後はアメリカの良心というオチで終わります。マッカーシズムというと、エドワード・R・マローを描いた 『グッドナイト&グッドラック』がありますが、『マジェスティック』はマッカーシズムに正面から取り組んだわけではなく、マッカーシズムはあくまで小道具です。主演が『マスク』のジム・キャリーですから、シリアスにはなりません。

 駆け出しの脚本家ピーター(ジム・キャリー)は、学生時代に共産党系のクラブに所属していたという理由で「非米活動委員会」の調査対象となります。委員会はピーターを共産主義者とみなし、ハリウッドは契約を打ち切ります。ピーターは、可愛い女の子を追いかけてこのクラブに入ったというだけでのノンポリ(死語ですねぇ)。余談ですが、この女の子を追いかけて政治運動に首を突っ込むというのは、1960、70年代によくあった話で、この映画を見て思わず笑ってしまいました。マッカーシズムが出てきますから、時代設定は1950年頃の話です。