原題、Flic Story(警察物語)。
 『危険がいっぱい』『地下室のメロディー』のアラン・ドロンと、『男と女』『狼は天使の匂い』のジャン=ルイ・トランティニャンが競演する「警察もの」です。仏映画の警察ものというと、ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデューの名作『あるいは裏切りという名の犬』を思い出しますが、この『フリック・ストーリー』もハリウッドとは一味違った警察ものに仕上がっています。
 制作にアラン・ドロンが名を連ね、原作者のロジェ・ボルニッシュとドロン演じる主人公が同じ名前ですから、実録ものということになります。ドロンが自ら制作、主演したフィルム・ノワールです。