泣かせるツボを心得た原作ですから、映画の方もその通りの仕上がりです。
 話としてはシンプルです。司法試験を4回落ちた弟とフリーライターの姉が、当時の関係者に当たって、特攻で亡くなった祖父の姿を明らかにする物語です。最初は「海軍一の卑怯者」と言われた祖父の姿が、調査をすすめるに従って家族や部下を愛する「海軍一のゼロ戦乗り」へと変わります。家族を愛する祖父が、なぜ特攻に志願して死を選んだのか?という謎がストーリーを引っ張ります。その謎が解けた時、70年の時空を超えて『永遠の0』が現代の東京の空を飛びます。