フレデリック・フォーサイスの有名なサスペンス小説の映画化です。『ジャッカルの日』『オデッサ・ファイル』『戦争の犬たち』と立て続けに発表した小説がベストセラーとなっています。いずれの小説も面白いです。

 『ジャッカルの日』は、一匹狼の殺し屋によるフランス大統領/ド・ゴールの暗殺を扱った小説(映画)です。ド・ゴールは天寿を全うしていますから、この誰もが知っている結末に向けてフォーサイスは「暗殺事件」を描いたことになります。失敗した暗殺をどう描くのか?、フォーサイスの小説家としての腕の見せどころです。
 ド・ゴールは、ナチによるパリ陥落でロンドンに亡命政権「自由フランス」を建て、大戦終了後は、首相、大統領を歴任した大物政治家です。アルジェリア独立戦争では民族自決を支持し、アルジェリアは1962年にフランスから独立します。この独立を国益の損失と考える武装組織OASがド・ゴールに対してクーデター、暗殺を企てています。