『麗しのサブリナ』で中年オヤジのハンフリー・ボガードをキリキリ舞いさせたオードリー・ヘプバーンが、今度はゲイリー・クーパーを相手に小悪魔?を演じます。この映画にも、ヘプバーンの父親が登場し重要な役割を演じます。個人的には、ヘプバーンよりクーパーより、この父親役のモーリス・シュヴァリエに惹かれます。
 原題の“Love in the Afternoon”を「昼下がりの情事」と訳した宣伝マンは、なかなか商売気がありますね。このタイトルだと、あの『ローマの休日』のヘプバーンがクーパーと情事をやらかした、ということになってしまい、お客は映画館に押し寄せます(だったかどうかは?)。小説『情事の終わり』の映画化を『ことの終わり』とした宣伝マンは、『昼下がりの情事』を知らなかったわけではないでしょうが。