- 日記(2014)
全体は7つのエピソードから成り立っています。
死(1600年)・・・エリザベスⅠから、不老を条件に、豪邸を与えられる愛(1610年)・・・ロシア大使の娘に恋をし振られる、「女は信用出来ない」詩(1650年)・・・詩才をの無いことを指摘される政治(1700年)・・・中東に大使として派遣される***女性に生まれ変わる***社会(1750年)・・・社交界にデビューし求婚されるが拒否性(1850年)・・・アメリカの青年と出会い恋に落ちる誕生(現在)・・・自伝を執筆、女児が誕生する
と並べても、何のことか分かりませんねぇ。性転換も、6日間眠って目覚めたら女性になっていたと言われても...。
原作はヴァージニア・ウルフ。ヴァージニア・ウルフには『ダロウェイ婦人』を原作とした『めぐりあう時間たち』があり、コッチも1923年、1951年、2001年と時空を超えた話でした。ヴァージニア・ウルフはSF作家なのか?、そんなことはありませんね。この作家は、ケインズやバートランド・ラッセルも参加した?「ブルームズベリー・グループ」の一員であり、「偽エチオピア皇帝事件」といういたずら事件を引き起こしたり、政治家の奥方と同性愛関係にあったりと、かなり変わった小説家です。
話がそれました。そういうヴァージニア・ウルフの小説ですから、400年の時を超える不老不死も性転換もありでしょうか。ひとつひとつのエピソードにこれと言って意味を見出せないのですが、一貫して流れるのは、「性」を超越した人間の存在と存在の連続性といったものです(とでも書かなければ「感想」にもならない)。自分は(あなたは)、たまたま今という時代に女性(あるいは男性)として存在しているが、人間の存在というものは、時間と性差を超えたものだ、そういうことなのでしょうか。
女優ティルダ・スウィントンが青年オルランドから20世紀のミズ・オルランドまで演じます。
私には難しすぎる映画です。監督も原作も女性ですから、女性の方が見ればもっと違った見方があるのかも知れません。『ダロウェイ婦人』は本棚にあるので、読んでみます。
監督・脚本:サリー・ポッター
原作:ヴァージニア・ウルフ
出演:ティルダ・スウィントン