天明八年(1788)、北海道厚岸町、国後、択捉、イルクーツクを舞台に、アイヌ蜂起「クナシリ・メナシの戦い」を描いた冒険小説です。
 冒頭、救国ポーランド貴族団の没落貴族が登場し、乗組員をそそのかして船長を殺害します。どう展開するのかと読み進むと、なるほど、ポーランド分割などのペテルブルグの政治がからんで、さすが船戸与一、スケールを感じさせる小説です。