高倉健が亡くなり追悼番組として何本か放映されていました。さすが『唐獅子牡丹』『網走番外地』はありませんでしたが、高倉健の古いファンは本当はこれが見たかったのではないでしょうか(私のこと)。

 『ホタル』に続いて田中裕子です(監督が降旗康男だから?)。共演も佐藤浩市、草彅剛、ビートたけし、大滝秀治、余貴美子、浅野忠信と豪華メンバー。
 一種のロードムービーです。妻・洋子(田中裕子)を亡くした倉島(高倉健)が、富山から長崎・平戸まで散骨の旅に出ます。旅の途中で様々な人に出会い、慰められ慰め、人生も捨てたものではないという映画です。

 洋子は故郷の平戸に散骨して欲しいという遺書とともに、もう一通、故郷の郵便局止の遺書を残します。洋子は、どうしても高倉に平戸に来て欲しかったのでしょう。病気が直ったら、キャンピングカーで日本中を旅しようと約束した、手作りのキャンピングカーでひとり平戸を目指します。