原題、Miracle on 34th Street。サンタクロースは実在するのか?というファンタジーです。
  ニューヨーク・マンハッタン34丁目にある百貨店メイシーズが舞台(そういえば、昔行ったことがあります)。メイシーズが主催するXmasパレードの主役サンタクロースが酔っぱらい、メーシーズの社員ドリス(モーリン・オハラ)は通りがかりの老人クリス・クリングル(エドマンド・グウェン)を代役に起用します。
 ドリスは一人娘スーザン(ナタリー・ウッド)がいるシングルマザー。ドリスに近づくためにスーザンを可愛がる弁護士フレッド(ジョン・ペイン)が登場し、スーザンはサンタクロースを信じていない・・・という伏線が敷かれます。

 クリングル老人は、百貨店のオモチャ売り場でサンタクロースとして子供たちに愛嬌を振り撒き、たちまち人気者に。英語の話せないオランダの少女とオランダ語で話したことで、スーザンはクリングル老人が本物のサンタクロースだと信じるようになります。
 
 メイシーズに売っていないオモチャの消防車が欲しい男の子に、別の百貨店を紹介したことで、メーシーズの信用が高まります。ところが、クリングル老人は自分がサンタクロースだと妄想を抱いているため、精神鑑定を受けるハメとなり、ニューヨーク市は老人がサンタクロースか否かを決める査問会まで開かれる騒ぎに発展します。クリングルを弁護するのがフレッドと、ストーリーは辻褄が合ってくることになります。クリングルの住所は北極ではなく老人ホームですから、彼がサンタクロースであるわけはないのですが、フレッドは驚くべき方法でこれを証明します(見てのお楽しみ)。ドリスとフレッドは結ばれ、スーザンはサンタクロースの存在を信じるようになり、メデタシめでたし。

 サンタクロースなんかいるわけがない、でもいて欲しいという願いを上手く生かしたX'masならではの映画。百貨店メイシーズが舞台で、サンタクロースの存在に査問会が開かれ弁護士が登場する辺りは、いかにもアメリカ映画です。たわいもないと言えばそうですが、今観ても面白いファンタジーです。

監督:ジョージ・シートン
出演:モーリン・オハラ ジョン・ペイン エドマンド・グウェン