面白いかと言うと、CGのアクションが好きな人は楽しめると思いますが、スピルバーグの映画だと思って観ると裏切られます。CGも『ジュラシック・パーク』の新鮮さはありません(首長竜の映像には感動しました)。スラム化した地球で人々がVRに逃避するという世界観も、リアリティは現実の世界にあるという結論も、あまりに陳腐。後に仮想世界のオープンが週5日になるなど笑える話になりますが、ゲーム依存症を皮肉った映画?。
スピルバーグは、エンタメ性の強い映画(例えばインディー・ジョーンズとか)で得た収益で作りたい映画(例えばプライベート・ライアンとか)を作ったいう話を何処かで読んだことがあります。『レディ・プレイヤー1』は前者にあたるのでしょうか。21世紀に入って、スピルバーグの映画は面白いものが少なくなった様に思います。『ブリッジ・オブ・スパイ』も『ペンタゴン・ペーパーズ』も『プライベート・ライアン』『シンドラーのリスト』に比べると一回りも二回りも小粒です。『レディ・プレイヤー1』もヒットしたようですから、次作に期待です。
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:タイ・シェリダン オリヴィア・クック