ディレクターズカット ブレードランナー 最終版

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


 監督が『エイリアン』や『グラディエーター』のリドリー・スコット、主演がハリソン・フォードであるにもかかわらず全くヒットしなかった映画です。一部の熱烈な支持によってSF映画の名作と云われているらしいので観ましたが、一般受けしないのも道理です。アンドロイド(映画での名称はレプリカント)が出てきて車が空を飛びますからSF映画なんでしょうが、中身は一見ハードボイルド風アクション映画。ストーリーは単純で、宇宙の辺境で働かされている6人のアンドロイドと、地球に密航した彼らを狩る『ブレードランナー』のデッカードの物語です。何が支持されているのかと云うと、ロサンゼルスを思わせるチャイナタウンの退廃をバックに、寿命が4年にプログラムされたアンドロイドの『切なさ』と、彼らを追うデッカードの虚無感が入り交じった独特の映像の様です。15インチのパソコン画面でこの映像美を云々するわけのもいきませんが、この「らしくない」近未来都市の映像は秀逸です。たとえば、ハリソン・フォードが屋台で「うどん」を食うのですから笑ってしまいます(このうどん屋の主人がユニーク)。これらの映像から宇宙に進出している人類を思い描くことはとてもできません。