チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

  • 作者: トム・ロブ スミス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/08/28
  • メディア: 文庫


 2008年に評判となったミステリーです。映画化も決まっているようで、監督が『ブレードランナー』『エイリアン』のリドリー・スコットということです。これは読まないわけにはいきません(動機が不純?)。

 1933年、ソ連ウクライナ
 幼い兄弟が森に猫を狩りに行き、兄が行方不明となります。

『おまえの兄さんはもう死んでしまった。今頃はもう誰かに食べられている。わかるかい?おまえたちが猫を狙ったように、誰かがおまえたちを狙ってたのよ。わかるかい?』

弟に母親が諭すショッキングな言葉で幕は開きます。いわば、これが本書の主旋律です。

【スターリン体制】
 1953年、密告と裏切り、あるいは積極的沈黙が我が身を守る術であったスターリン時代という背景が、本書に緊張感を生んでいます