・ヌードルスが刑務所を出所して、ギャングとして頭角を現す時代。
・老境に入ったヌードルが、再びニューヨークのユダヤ人街が現れる1960年半ば。
この三つの物語が前後し交差して、男達のドラマを見せてくれます。
1) ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)のギャング仲間マックス、パッツィー、コックアイの3人が、敵対するギャング組織によって殺されところから幕が上がります。逃亡を図るためヌードルスは金の隠し場所に行きますが、トランクの中の100万ドルは消えています。
2) ビートルズのyesterdayが流れる時代です。35年ぶりにヌードルスがニューヨークのユダヤ人街のモーの店に現れるところか第2幕が開きます。ユダヤ教会を騙った手紙に誘われるようにヌードルスは舞い戻ったのです。
ヌードルスはモーに言います、
時計の鍵を返しに来た
は時計のネジを捲き、止まっていた時計が再び動き出します。35年を隔てて、過去が動き出したわけです。この辺りの演出はロバート・デ・ニーロのシブイ演技で見るとため息ものです。カメラがゆっくり回り、見る側が映画をじっくり味わう贅沢が味わえます。
何者かがヌードルスをNYに呼び戻したのです。誰が何のために35年の時を隔てて呼び戻したのか?
100万ドルは5人の仲間の共有財産であり、その中の誰かがその金を持ち去ったわけです。モーの部屋に架けられた古い写真を見て、ヌードルスの思いは少年時代へと遡ってゆきます。マックス、パッツィー、コックアイの3人は死に、隠し場所の鍵をヌードルスに渡したモーは除かれます。ミステリーの味付けもされています。
3) 第3幕、1900年代の初頭のNYユダヤ人街。ヌードルスを中心とする少年達のリトル・ギャング振りはなかなか痛快です。彼らの無軌道振りを中心に、ヌードルスのモーの妹デボラへの片思い、ショートケーキ1個で春を売るペギーのエピソードなど、詩情豊かに描かれます。パッツィーは、なけなしの金で買ったケーキを持ってペギーを訪れるのですが、クリームを舐めているうちに我慢できなくなり色気より食い気となるシーンは、第3幕の象徴でしょう。ヌードルスとマックスが出会い、6人のグループが結成さてストーリーの骨子が出来上がります・・・。
disc2枚、4時間近いドラマを一気に見てしまいました。すばらしいの、一言に尽きます。これほどの映画が賞ひとつ取っていないようですが、Wikipedeliaによると
一般観衆に受け入れられやすくするために製作会社が物語の時系列を整理し映画の上映時間を大幅に短縮、更にモリコーネの楽曲までカットしたためである。
だそうです。前編後編に分けて、前編だけでも劇場公開すれば評価は違ってきたでしょう。
必見です。
刑務所に入るヌードルスを見送る、マックス、パッツィー、コックアイ、モーの4人。
ロング・ショットがすばらしい!
監督:セルジオ・レオーネ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:
ロバート・デ・ニーロ
ジェームズ・ウッズ
エリザベス・マクガヴァン
ジョー・ペシ
ジェニファー・コネリー