毎日新聞 この1年 文芸 [日記(2009)]
読書ネタが無いので、少し。
年末恒例のベスト10は好きで、ミステリー過去分は一覧表にして携帯に入れています。新聞もこの1年を振り返る、といった記事がチラホラ。本日の毎日新聞が小説を取り上げていました。今年は新刊を2冊も(上下ものだから4冊)読んだので、胸を張って記事を読めるんです・・・笑い
6人の評者がそれぞれ5編選んでいます。2票以上入ったものだけ書き抜くと、
川上未映子 ヘヴン
橋本 治 巡礼
中村文則 掏摸
辻原 登 許されざる者
私が読んだ『1Q84』と『太陽を曳く馬』は1票。『1Q84』は(1と2あわせて)224万部売れ、年間ベストセラー1位。文芸書が1位となるのは古今未曾有の事件らしいです。『太陽を曳く馬』は、沼野充義(東大教授・仏文学者)によると、
思想的論議を『ここまでやるか』というすごさで圧倒的。
と評されていますが、同感。ちょっとヤリ過ぎで小説としての面白さに欠けましたが。
取り上げられた本の中で、古本なったら(^^;)読んでもいいなと思うのが、
『許されざる者』・・・日露戦争と大杉栄の大逆事件を背景とした好みの近代史物。
奥泉光『神器 軍艦「橿原」殺人事件』・・・『吾輩は猫である殺人事件』の面白さを期待して。
です。奥泉作品についてはコメントが無かったのでamazonのレビューを見ると、
ミステリーファンから見ればミステリーでなく(かつては「葦と百合」とかいい作品があったのに)、純文学ファンからすれば純文学でなく(芥川賞当時は期待させたのに)、難解すぎてエンターテインメントとしても成立していない(「鳥類学者のファンタジア」とかもうちょっと軽くて面白かったのに)。
などという評があり、うまいですねぇ。これは『鳥類学者のファンタジア』が先かもしれません。
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