原作は芥川龍之介の「藪の中」。ひとつの殺人事件が、それに係わった4人によって4つの「真相」が語られるという、「真相は藪の中」の物語です。

杣売り(志村喬)
事件の第一発見者。市女笠、烏帽子、切られた「縄」、短刀などの遺留品と侍の惨殺死体を発見し検非違使に届け出る。後、事件の一部終始の目撃者であることが発覚する。
 
多襄丸(三船敏郎)
 盗賊。人妻・真砂に懸想しこれを襲って陵辱する。加害者として事件を語る。
 出来れば殺人を避けたかった多襄丸は、武士を騙して縛り上げ、武士の目の前で真砂を陵辱する。陵辱された真砂は、多襄丸と武士(夫)が戦い、勝った方の妻となると多襄丸をけしかける。多襄丸は戦いに勝ち武士を殺すが、戦いの最中に真砂は消えてしまう。