原題は、“The Chronicles of Riddick”。リディックは「ピッチブラック」の惑星から無事脱出できたようですが、またまた賞金稼ぎから追われる生活を送っています。「ピッチブラック」の惑星からともに脱出したイスラム教徒と家出少年(実は少女)が引き続き出てきますが、それ以外に前作とのつながりはありません。

 前作では、リディックは異星でモンスターと闘い遭難者を連れて脱出しましたが、今回の敵は悪の帝国というかカルト集団「ネクロモンガー」。このカルト集団は、勢力拡張と云うか信者獲得のために惑星を破壊占領しまくっているという設定。映像としてはこのカルト教団?の「カルト性」がウリで、ローマ帝国とエジプトとスターウォーズを足して三で割ったような雰囲気。合理性などまったく無しで、ひたすらゴシック調。宇宙船が飛ぶ時代設定とこのアナクロニズムがたまりません。
 教祖もいいです。ネクロモンガーになることを拒否した人間の精神を吸い取ったり、通常の数倍のスピードで動いたり(エイトマンかおまえは)、風貌はなんとなくナポレオン。
 この教祖の部下が「指輪物語」のエオメルで「ボーン・スプレマシー」の暗殺者のカール・アーバンだったりその妻が「クラッシュ」のタンディ・ニュートン、「007」のジュディ・デンチも出ていますから、前作に比べて相当製作費がかかっています。