よくできたポリティカル・サスペンスです。要は、殺人の背後に政治的陰謀が絡むからポリティカルかつサスペンスです。ケネディ暗殺を扱った「JFK」やCIAとピッグス湾事件を描いた「グッドシェパード」、「エネミー・オブ・アメリカ」などがそれに当たります。国家の犯罪ですね。

 英国の元首相ラング(ピアース・ブロスナン)の自伝を書いていたゴーストライターが自殺します。フェリーに車を残し海に飛び込みます。ゴーストライター、自殺、フェリーに残された車と、後になって分かるわけですがこのオープニングに映画の伏線がはってあります。この自殺したゴーストライターの仕事を引き継ぐのがユアン・マクレガー(ユアン・マクレガーの演じるゴーストライターの本名は最後まで出てきません。ゴーストライターは固有名詞さえ無いというわけです →便宜上マクレガー)。引退してアメリカの孤島(でも無いですが)に隠棲するラングのもとで、マクレガーはゴーストライターの仕事を引き継ぎます。