原題はSource Code。無理矢理ジャンル分けするとSFサスペンスということになるんでしょうね。「バタフライ・エフェクト」と少し似たところがありますから、その手の映画の苦手な人はよく見ていないと「何だ何だ」と消化不良で終わってしまいかねません。
 人間の脳は死後しばらくは生き続け、死の直近8分間の記憶を保持しているということが前提となっていますが、脳死と肉体的な死とはどう違うんだ云々などと突っ込むとこの映画は楽しめません。

 イラクに駐屯するヘリのパイロット、コルター(ジェイク・ジレンホール)は、列車の中で目覚めます。気がついたらここはイラクではなくてシカゴへ向かう通勤列車の中、しかも自分自身はコルターではなく高校の歴史の教師ショーンだったというのですからパニックに陥ります。恐る恐る手洗いの鏡に自分を映してみるんですが、そこに映っているのは見知らぬ男性。Oh、カフカの「変身」ではないですか。この幕開けはなかなか鮮やかで、一気にストーリーに引きこまれます。なんだなんだ、と云うわけです。