有名なサスペンス映画です。ささいなほころびがトリガーとなって完全犯罪が崩れてゆくよくあるパターンですが、そこはフランス映画、ヒネリも利いて映像もシャレています。

 一言で言ってしまえば、不倫の果ての殺人です。映画は、 ジャンヌ・モロー(フロランス・カララ )とモーリス・ロネ(ジュリアン・タベルニエ)が"Je t'aime"と電話でささやき合い"7時半?に店の前で待っている"、"車で迎えにゆく"、というシーンからスタートします。徐々に明らかとなってきますが、フロランスの夫はジュリアンが勤める会社の社長。この社長が武器商人で、ジュリアンは元アルジェリア、インドシナ戦争の英雄という設定です。ジュリアンは拳銃、スパイカメラ持参で、どうも政府から機密情報を盗んで会社に貢献しているスパイという設定です。物語がそっちに行くのかと思ったのですが、今回は「不倫の果ての殺人」。カララ夫人フロランスがジュリアンに夫殺しを依頼します、と云うかふたり合意の上で邪魔な夫殺しを企んだというのが実情でしょう。