年末年始、NHK・BSは高倉健特集のようなもので、そのサワリでしょうか。
 原作は池宮彰一郎、脚本が池上金男。池上金男=池宮彰一郎で、名作『十三人の刺客(1963年)』の脚本家です。個人的には、監督の市川崑よりこっちの方が興味があります。

 「忠臣蔵」を仇討ちの美談ではなく、四十七人の侍による暗殺として描いたところが新しいわけです。従って(かどうか?)、大石内蔵助を高倉健が演じているんでしょう。高倉健は『幸福の黄色いハンカチ』以後、過去を背負った渋い役柄が多いですが、『昭和残侠伝』『網走番外地』の“健サン”ですから、刺客集団の親玉にはまことに相応しいキャスティングです。『幸福の黄色いハンカチ』島勇作の後ろには、花田秀次郎(『昭和残侠伝』)、橘真一(『網走番外地』)がいるから絵になるんですね。
 ということで、『四十七人の刺客』を東映・任侠映画として見てみました。あれ、この映画、東宝ですねぇ。