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映画 unknown/アンノウン(2006米) [日記(2012)]

unknown/アンノウン [DVD]  リーアム・ニーソンの『アンノウン』(2011米)がありますが、こちらは2006年版の『unknown/アンノウン』です。混乱しますね。どちらも共通するのは「私は誰れ?」。

 気がつくと、遺棄された倉庫か工場の様な見知らぬ場所に倒れている。側には血を流した男、壁際には椅子に縛られた初老の男、2階には手すりに手錠で繋がれた男。いったいどうして此処にいるのか?ここは何処で、私は誰なのか?。よくある設定といえば言えます。観客を主人公同様に状況が全く不明の立場に置き、主人公とともに謎解きをしようというわけです。

 電話が掛かって来ます。ジム・カヴィーゼルが出て、おぼろげながら状況が明らかになります。ここにいる5人は、どうやら誘拐犯と誘拐された人質らしいのです。5人とも記憶を失っていて、誰が誘拐犯で誰が人質であるのか、また自分が犯人であるのか人質であるのかさえ分からず、謎は深まるばかり。逃げ出そうにも、ドアには電子錠、窓には鉄格子と完全な牢獄で助けを呼ぶことも出来ません。
 5人が同時に記憶喪失に陥ったことが、映画の最大のツボです。一切の情報が伏せられ、周囲の状況だけを頼りに生き残りをかけて戦わないといけないわけです。何故(これほど都合よく)記憶喪失になったかと云うと、工場にあった薬品が乱闘で漏れたために5人が同時に記憶喪失になったということです。なるほど、そういうことにしておきましょう。

 この密室で、5人の男が疑心暗鬼に駆られていがみ合い、フラッシュバックのように、記憶の断片が蘇り、徐々に記憶を取り戻してゆきます。電話とそれぞれの記憶を総合すると、ある会社の社長と経理担当重役?を誘拐した様です。ということは、5人のうち2人が人質で3人が誘拐犯、観客も登場人物達も ⇒誰だ誰だ誰だ?。まもなく、身代金回収グループ(たぶんボス)から日没までには戻るという電話が入り、5人は焦り出します。自分が人質だった場合、殺される可能性があるからです。やがて日没とともに5人の記憶が戻り...。オッそう来るか、という結末です。最初に目覚めるジム・カヴィーゼルが主役らしいので、コイツが人質の社長なのかなぁ、ちょっと若すぎる、最初の電話で犯人と話しますが、相手はジム・カヴィーゼルを仲間と思い込んでいるようだから、やっぱり犯人か? 『パッション』ではイエスやってるし、『ハイ・クライムズ』では悪役だし...バリー・ペッパーが出ていると云うことは、コッチが人質?いや『トゥルー・グリット』で悪役もやってるし...などという取り留めもない想念に悩まされながら、楽しめます。でも、最後がねぇ。

 映画は工場内部と誘拐犯を追う警察の二元構造ですが、いっそうのこと舞台を工場内部だけにして、次第に戻ってくる記憶によって相互不信が増幅され、5人が味方になったり敵になったりを繰り返すサスペンスの方がよかったのじゃないでしょうか。
 誘拐犯の親玉やっているピーター・ストーメアさんですが、『ファーゴ』でもかの名優?スティーヴ・ブシェミと組んで誘拐やってました(笑。相変わらずのワルぶりです。

監督:サイモン・ブランド
出演:ジム・カヴィーゼル バリー・ペッパー ピーター・ストーメア

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