【殺人事件】
ライムンダは娘パウラと夫のパコの3人暮らし。夫は失業のうえ呑んだくれ、ライムンダがパートタイムをして生活を支えています。『
それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルスが掃除婦のパートタイマーですから→あり得ないだろう、ですがまぁよしとしましょう。
パコは、「なぁいいだろう」とか何とかベットでライムンダに迫るんですが、「疲れている、明日は早い」とか何とか拒否。パコはこの後早々と舞台から姿を消すのですが、チョイ役でもペネロペ・クルスに迫れるんですからウラヤマシイ限り。なに考えているんだ!とツッコミが入りそうですが、ここまでは展開が退屈なので、そんな余計なことを考えます(笑。
と、突然にパコが自宅のキッチンで殺されます。犯人は何と娘のパウラ。パコが「なぁいいだろう(こればっかり)、オレは本当の父親じゃないんだから」と娘に迫り、パウラはキッチンのナイフで防戦する間に父親を殺してしまったというわけです。あわやの近親相姦と尊属殺人の何処が“ ヒューマンドラマ”だ!それともサスペンスか?。ライムンダは死体を毛布でくるみ、物置に隠します。死体の始末どうするんだろう?。
と、取ってつけたように、かつて働いていたレストランのオーナーから、店を売るからそれまで管理してくれという電話が入り、ライムンダはレストランの大きな冷凍庫に死体を隠します。なるほど、取ってつけた話は、そういうことか →なんかご都合主義。
【伯母さんの死と幽霊の登場】
と、突然に認知症の伯母さんが亡くなります。ライムンダは死体の始末もあるので葬儀はパス、姉のソーレが故郷に帰ります。ここから映画は本筋に入ります。ソーレは、母親に遭遇します。あれ、両親は数年前に山火事に巻き込まれて死んだはずですから、ソーレは幽霊を見たということになります。伯母さんの死を知らせてくれたアグスティーナによると、伯母さんが亡くなった時刻に、何者かが玄関の戸を叩いたというのです。開けてみると誰もいない、きっと伯母さんだと思って行ってみると死んでいた。あれは、伯母さんが霊となって自分の死を知らせに来たに違いない、と言うわけです。オイオイ、 今度はホラーか!。
葬儀も無事済みソーレは町に戻ります。車を駐車場に入れてドアを閉めると、何処からかソーレを呼ぶ声がします。「トランクを開けてくれ!」→いよいよ「出ます」。トランクを開けると、そこには白髪をふり乱した老婆が... →出ました!。
この老婆こそ、ライムンダとソーレの亡くなった母親イレーネ(カルメン・マウラ)なんですね。「今晩泊めて」とか、「迷惑でないなら置いてくれ」とか厚かましい幽霊?で(足はある)、イレーネは、伯母さんの遺品から高価なものだけ持ちだしたトランクまで提げています。どうも幽霊らしくない幽霊で、イレーネは果たして幽霊なのか、生きている人間なのか?。パコの死体の始末が付いていないうえに、今度は幽霊まで登場します。
さらに、伯母さんの隣に住むアグスティーナによって意外な事実が明らかにされます。彼女の母親は、イレーネが火事で死んだその日から行方不明となった、イレーネが現れたら母親が生きているか死んでいるか聞いてくれとライムンダに頼むのです。エッ、イレーネは生きているの?、アグスティーナの母親の失踪とイレーネが亡くなったという山火事の関係は?、と謎が謎を呼んで、“ヒューマンドラマ”は、サスペンス→ホラー→サスペンスへと二転三転。ひょっとしてコメディもあり得る?という、映画自体が謎の映画です。
この後、ライムンダは死体を始末し、幽霊の謎、パウラの父親の謎(パコは自分が実の父親ではないと言っている)が明かされます。そして謎はライムンダとその母親イレーネの関係に集約され、そういうことだったのかという話になりますが、感想文はこの辺りでお終い。
パコの死体はレストランの冷凍庫で凍っていますから、ノコギリでバラバラにするというのもアリですねぇ。ライムンダが管理するレストランが再開されますから、食用にするというの面白い(笑・・・
そんな映画ありましたね。
で、お薦めかというと、ペネロペ・クルスの胸の谷間は拝めるので、これだけはお薦めです(笑。考えてみると、パコ以外、ストーリーに絡む男性はひとりも出てきません、ジェンダーの映画?。
監督:ペドロ・アルモドバ
出演:ペネロペ・クルス カルメン・マウラ ロラ・ドゥエニャス