【カリフォルニアの実相】

 カリフォルニアを目指しルート66を西に向かうジョード一家の物語です。砂嵐とトラクターによってオクラホマを捨てたジョード一家は、カリフォルニアで再起を図ろうとしますが、その家族の絆にほころびが出始めます。祖父が死に、長男が失踪して脱落し、トラックによる旅に耐え切れず祖母まで亡くなります。
 さらに不吉な兆しが現れます。何十万という‘ジョード一家’がカリフォルニアを目指しますが、逆にルート66を東に向かう人々が現れます。彼等は、仕事の無いカリフォルニアから故郷に戻ろうとする人々です。ジョード一家は、果実摘みの労働者を募集するという宣伝チラシを信じてカリフォルニアを目指したわけですが、彼等によると、過剰な労働力を中西部から集めるためにチラシをばらまいたということです。どういうことかと言うと、