児島襄『満州帝国』のなかに、スェーデンの駐在武官・小野寺信はヤルタ会談の密約(ドイツ敗戦後3ヶ月以内に対日参戦)をつかみ、参謀本部に打電したが、参謀本部はこれを握りつぶしたという話が出てきます。『消えたヤルタ密約緊急電』では、小野寺の緊急電を握りつぶした参謀を瀬島龍三だと匂わせています。
 瀬島龍三は、大本営参謀からソ連抑留を経て、戦後は伊藤忠で航空機商戦に辣腕を振るい、第二次臨調の事実上のトップとして国家の参謀をつとめた人物です。先日亡くなった山崎豊子の『不毛地帯』のモデルとして有名です。小説のモデルは別として、国家の運命を左右しかねない情報を握りつぶしたと噂される瀬島龍三とは如何なる人物なのか?。