【放火と殺人】
 第3部は、県知事夫人ユーリヤが主催するパーティー「祭り」で幕が上がります。 私の場合、悪霊をスタヴローギン、ピョートル寄りで読んでいるので、彼らが登場しない章はどうも面白くありません。この「祭り」にも作家が仕掛けたf暗示や伏線が沢山あるらしいのですが、よく分かりません。
 「祭り」で人目を逸らしている隙を狙ったように、川向うの町に火の手が上がります。火事は、シュピグリーン工場の労働者による放火で、火事のドサクサに紛れてレビャートキンと妹のマリア(スタヴローギンのの妻)が殺され金を奪われるという事件が起こります。第2部でピョートルがスタヴローギンに持ちかけた通りの殺人が起こります。ピョートルがレビャートキンに大金を渡し、その金を目的にフェージカが起こした殺人で、放火もピョートルの教唆です。