【キリーロフの自殺】
 『悪霊』には様々な世界観(思想)が登場します。スタヴローギンのニヒリズム、ピョートルの革命至上主義、シャートフのロシア民族主義、シガリョフのユートピア論とともに、キリーロフの人神思想(無神論)もそのひとつです。どれもよく分からないのですが、この人神思想が最も分かりにくいです。
 キリーロフは、第1部で「自殺できる人間が神になる」と無神論の一端をのぞかせていますが、第3部ではもう少し突っ込んだ表現があります。