第11回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作です。北海道で未知の病原菌が猛威をふるい、日本が滅亡する瀬戸際に立たされるという終末SFです(パンデミックと云うらしい)。いやぁ面白い、モッタイナイことに1日で読了です。
 この手の小説は、インフルエンザで世界が滅びるという小松左京『復活の日』という名作があります。先日読んだカミュの『ペスト』も、無理すればこのジャンルに入るかも知れません。サスペンスですからネタバレ無しで、感想を斜めから書いてみます(逆にいうと、ネタをバラすとこの小説の面白さ80%が失われます)。

 ストーリーの中心は、病原菌の正体解明と如何にして病原菌を撃退するかということです(プロット、アイデア)。そのなかで展開される人間ドラマが作者の腕の見せどころでしょう(本当の面白さはこれ)。