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映画 ブラッディ・ガン(1990米豪) BSシネマ [日記(2014)]

Quigley Down Under [DVD] [Import]
 原題はQUIGLEY DOWN UNDER、「オーストラリアのクィッグリー(主人公の名前)」。ブラッディ・ガンだと血まみれの銃ということになります。まぁ確かに主人公クィッグリーの持つ銃によってたくさんの悪人が撃ち殺されますから、当たっていなくもないですが、中身はちょっと違います。
 舞台はオーストラリアで、登場するのが銃身の長い単発のシャープス銃という異色の西部劇です。

 狙撃のエキスパートを求むという求人広告に応じて、マシュー・クィッグリー(トム・セレック)がワイオミングか何処からかオーストラリアの南西部にやってきます。ここで一悶着あって、マシューは娼婦として売られたコーラ(ローラ・サン・ジャコモ)と知り合うこととまります。マシューとコーラの関係がサブストーリーですね。
 ふたりは雇い主マーストン(アラン・リックマン)の牧場に行き、マシューは入社試験で銃の腕前を披露します。なんと、1200m離れた的を射抜くんです。マシューの使うシャープス銃というのは、射程距離と命中率に重点を置いた大口径の単発ライフルだそうで、この映画はシャープス銃の特性を生かしたストーリーとなっています。
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 マシューとマーストンが仲良く夕食を囲んでいると、突然マーストンが邸の外に放り出されます →???。マシューは召使のアボリジニに気絶させられ、マーストンは、こいつを砂漠に捨ててこい、オーストラリアの自然が殺してくれるだろう、ついでにこいつも連れてゆけと部下に命じ、マシューとコーラは砂漠に棄てられます。???の部分ですが、マーストンは、アボリジニを殺すためにマシューを雇い、怒ったマシューがマーストンを窓から叩きだしたというわけです。
 これで、マシューvs.マーストン、マシュー+コーラという映画の基本構成が出来上がります。シャープス銃はどうなったかって?。シャープス銃が無いと映画が成り立ちませんから、マシューが銃を取り戻すシーンもちゃんと用意されています。
 マシューとコーラはアボリジニに助けられて生き延び、ストーリーにアボリジニが加わって、マシュー+コーラ+アボリジニVS.マーストンという構図が完成します。
 マーストンは部下を使ってアボリジニの虐殺繰り返し、マシューはシャープス銃を使ってマーストンの手下を次々に射殺してアボリジニを救います。1000mの射程で狙われればたまったものではありません。アボリジニ=インディアンと考えると、アメリカ大陸で先住民に暴虐の限りを尽くした白人が、舞台を変えて罪滅ぼしをしている、という話ですね(笑。
 最後は悪役マーストンを決闘でにやっつけるのですが、マーストンの奸計でマシューには逮捕状が出ており、軍隊が逮捕に来ます。これをアボリジニが救けるのですが、この救け方がまた粋(見てのお楽しみ)。

 マーストンを演じるのは、『ハリー・ポッター』のスネイプでお馴染みのアラン・リックマン。『ダイ・ハード(1988)』でブルース・ウィルスの敵役も演じている国際的悪役スター?です。『ブラッディ・ガン』はどちらかというと埃っぽい映画ですが、アラン・リックマンだけは黒のスーツと帽子でビシッと決まってます。『ブラッディ・ガン』で検索をかけると、リックマンのファンサイトがヒットするから面白いです。

 コーラが重要な役を演じます。ストーリの流れを作るというのではなく(でもないか)、マシューという存在を際立たせるヒロインです。登場も派手で、初対面のマシューをロイと呼び、マシューの喧嘩に加勢するという派手なヤンキー娘。複雑な過去を持っているのですが、コケティッシュで可愛くて純情という多面性を上手に演じ分けています。その過去とアボリジニの赤ん坊が交叉する建付けは、なかなかのもの。この女優さん、いっぺんに好きになりました(『セックスと嘘とビデオテープ』に出ていたようですが)。

 トム・セレックは初めてお目にかかるのですが、タフで渋くていいですねぇ。アンソニー・クインに雰囲気が似ています。アラブの族長をやらせてみたい(笑。

 ということで面白いです、お薦め。シャープス銃を軸に、ヒーロー、ヒロイン、悪役と揃って、並の西部劇(『ローン・レンジャー』など)よりよっぽど上を行っています。残念なことに、日本ではDVDになっていません。こういう映画をさらりと放映してくれるのがNHKのいいところです(とたまには褒めておきましょう)。

監督: サイモン・ウィンサー 
出演:トム・セレック アラン・リックマン ローラ・サン・ジャコモ 

タグ:BSシネマ
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