『ゾンビ・ランド』つながりです。当たり前のことですが、ゾンビ映画というのはゾンビが主役になるわけにはいきませんから(あったら見てみたい)、ゾンビに追いかけられる人間の行動が描かれるわけです。ゾンビからの脱出をアクションとして描けば一連の『バイオハザード』、シリアスに描けば『28日後』『アイ・アム・レジェンド』、コメディとして描けば『ゾンビランド』となるわけです。『ショーン・オブ・ザ・デッド』はドタバタ・コメディのゾンビものです。『ゾンビランド』ほどの派手なアクションはありませんがそこはイギリス映画、ユーモアにあふれた「ゾンビ映画」です。
- 日記(2014)
家電量販店のマネージャーのショーン(サイモン・ペグ)と、定職にもつかず昼間からビールを飲んでゲームばかりしているエド(ニック・フロスト)、ショーンの恋人リズ(ケイト・アシュフォード)、この三人の話しです。ショーンとリズのデートは、いつもパブ「ウィンチェスター」でビールを飲んで馬鹿話をするだけ。リズは、退屈なジョーンに愛想をつかし、もう別れよう!。そんな状況下で、町中の人間がゾンビとなって次々に人々を襲い始めます(ゾンビの原因などは一切説明なし)。もうおなじみのシチュエーションで、違っているのは、ヒーロー・ショーンは何の取り柄もない只の人という設定です。
でショーンとエドは、自宅に閉じ込められたショーンの母親と義理の父、元恋人リズを救けだし、頑丈な造りのパブ「ウィンチェスター」に立てこもって危機を乗り切ろうと考えます。こんな時にも、いつものパブしか思いつかないところがショーンの限界なのか、映画セットの節約なのか分かりませんが(笑。一行にリズの友人ダイアンとその恋人デービットが加わり、映画はパブへの脱出劇とエイリアンとの戦いが描かれます。
と書くと、ありきたりのゾンビ映画ですが、このゾンビ映画は随所に盛り込まれるクスグリが持ち味です。ゾンビは人間を見かけると襲ってくるわけですが、何とゾンビらしい演技をすれば、彼らは同類だと考えて襲ってこない、そんなのアリか?と思うのですが、ショーン以下がゾンビの振りをして逃げまわる様は笑わせます。ショーンはリーダーとなっていいところを見せリズと仲直りしようとしますが、エドは常にドジを踏んで一行を窮地に立たせる、デービットは実はリズが好きで何かというとショーンと対立し、これもブレーキ。
まぁ最後はショーンとエドが生き残って(オチもあって)メデタシメデタシとなり、ゾンビと人間が共存するという驚天動地の結末となります。笑えるゾンビというのもいいです。
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペグ ニック・フロスト ケイト・アシュフォード