- 日記(2014)
結論から言うと、期待外れ。
世継ぎ争いに巻き込まれて父親を失った青年の、幼馴染みとの恋、お家騒動がからんだビルドゥングスロマンです。この映画は、牧文四郎(市川染五郎)の初恋の相手おふく(木村佳乃)が江戸邸で藩主の子を生み、そのおふくを文四郎が敵の手から守る、という構図です。藩主の側室という、永遠に手の届かない女性となったおふくへの禁断の恋を、どう昇華させるかということが映画のテーマです。
切腹した父親の遺体を引取り、大八車で運ぶシーンです。坂にさしかかって立ち往生するする文四郎(石田卓也)を、おふく(佐津川愛美)が後ろから押す有名なシーンです。このことで、ふたりの絆は生涯変わらぬものとなります。
おふくにどう報いるか、おふくとの絆を確認するかというのが後半の物語です。文四郎の父親を切腹に追い込んだ家老は、文四郎を元の禄に戻し郷方出役に取り立てます。当然裏があって、文四郎の剣の腕を見込んでこれを利用しようということです。藩主の子供を生み、城下に隠れたおふくは、相続争いに巻き込まれます。家老は、文四郎におふくの子供を拐ってくるように命じ、文四郎はおふくを反家老派に託しこの危機を乗り越えようとします。こで家老派の刺客の襲撃を受け、大活劇が展開されます。サービスでしょうが、ここまで派手にやることはないですねぇ。
おふくにどう報いるか、おふくとの絆を確認するかというのが後半の物語です。文四郎の父親を切腹に追い込んだ家老は、文四郎を元の禄に戻し郷方出役に取り立てます。当然裏があって、文四郎の剣の腕を見込んでこれを利用しようということです。藩主の子供を生み、城下に隠れたおふくは、相続争いに巻き込まれます。家老は、文四郎におふくの子供を拐ってくるように命じ、文四郎はおふくを反家老派に託しこの危機を乗り越えようとします。こで家老派の刺客の襲撃を受け、大活劇が展開されます。サービスでしょうが、ここまで派手にやることはないですねぇ。
描くべきは、藩主の側室・おふくと郷方出役・文四郎との関係です。「蝉しぐれ」の降る中、切腹した父親の遺体を運ぶ文四郎とその大八車を押すおふくの関係を、現在の主従とも言うべき関係のなかで如何に表現するか。言うほどには簡単ではないでしょうが、どうも原作を忠実になぞることで映像表現の問題から逃げたようにも見受けられます。