映画を見ました。それなりに面白かったのですが、もうひとつ納得がゆかなかったので原作を読んでみました。

 不倫相手の赤ん坊を誘拐し薫と名づけて育てる希和子の物語(原作では第1章)と、誘拐が発覚し4歳で実の両親のもとに帰り成長した薫=恵理菜の物語(原作では第2章)の二本立てです。映画は、希和子と薫を扱った部分は情感たっぷりに描かれるのですが、成長した薫=恵理菜の物語に存在感を感じません。映画では、恵理菜とライターの千草が、希和子と過ごした4年間の思い出の地を訪ね、恵理菜は希和子の母性を感じることでシングルマザーとして生きていこうとする物語が描かれています。(たぶん)小説の主題であるこの恵理菜の物語が、映画としては不十分ではないか?、原作ではどうなっているのか?、です