『麗しのサブリナ』、『昼下りの情事』のヘプバーンと中年の恋にウンザリし、『尼僧物語』もまたその手のラブストーリーかと思ったのですが、違いました。これでもかというほどヘブバーンの魅力を前面に押し出した映画ですが、なかなか見応えがあります。

 舞台はベルギーです(但し全編英語)。高名な外科医(ディーン・ジャガー)を父親に持ち、自身も看護師であるガブリエル(オードリー・ヘプバーン)は、尼僧となることを決心し修道院に入ります。ガブリエルの夢は、看護師としてコンゴ(旧ザイール、当時はベルギー領)で僻地医療に尽すことであり、コンゴへ行くために修道院に入ったと言えなくもありません。ガブリエルはキリスト教の天使の名ですから、ヘブバーン=ガブリエル=天使ということになります。書き忘れましたが、時代は世界大戦の前です。
 ともかく、清純可憐なヘプバーンが尼僧服み身を包み、祈りと奉仕のシスターを演じるのですから、これは素晴らしいです。