チンギス・ハーンが蒙古草原を颯爽と駆け抜ける映画を想像していたのですが、大半がハーンになるまでのテムジン(浅野忠信)の波乱万丈とテムジンと妻ボルテとの一風変わったラブストーリーです。教科書に載る「チンギス・ハーン」もモンゴル帝国を建ててユーラシア大陸の大半を領土とするまでには、こうした物語があったんですね。族長の息子として生まれ、軍団を率いて勢力を広げてモンゴルを統一したと思っていたのですが、映画「モンゴル」によると、若き日のテムジンは苦難の連続だったようです。

 有力部族の長イェスゲイの長男として生まれ、9歳の時に父親とともに嫁選びの旅に出てボルテ(ホラン・チョローン)と出会います。本当は別の部族の娘を選ぶはずだったのですが、一歳年上のボルテがテムジンを見初め、私を妻に選べ、みたいな出会いがあって、ボルテはテムジンの許嫁となります。この絆が映画「モンゴル」の基調をなしていると言ってもいいでしょう。