BSシネマ カレンダー・ガールズ(2003英米)

　中年のオバサン連中が、自分たちのヌードで12ヶ月のカレンダーを作るという話しです。それ以外にこれと云ってドラマはありません。もっとも、オバサンのヌードそのものがドラマですねぇ。

　英国の田舎（ヨークシャー）であった実話だそうです。アニー（ジュリー・ウォルターズ）の夫が白血病で亡くなります。彼女と友人達は、アニーの夫を偲ぶために病院にソファーを贈る計画をたてます。一方、彼女たちが所属する地域の婦人会が、自分たちで製作したカレンダーをバザー売って地域振興に役立てようという年中行事があります。

　アニーの友人クリス（ヘレン・ミレン）は、このカレンダーを自分たちのヌードで作ろうというアイデアを思いつきます。このオバサンのヌードにはネタ振りがあります。

 

ヨークシャーの花は女性に似ている

成長を重ねるたびに　その美しさを増してゆく

盛りを過ぎても　見事に咲き誇る

アニーの夫が彼女に語る言葉です。もっとも

あっという間に枯れてゆくが

と云うオチもあります。従ってオバサン達は、自分たちに盛りを過ぎても見事に咲き誇るその美しさがあるという言葉に勇気づけられ、あっという間に枯れてゆく前に記念に残そうと云うわけです。

　しかし、誰が見たいんだ！と思いますね。ところが予想に反してこのカレンダーが大ヒットし、オバサンパワー侮る無かれ、世のオバサンよ自信を持て！と云うメッセージにあふれた映画です。

　面白いのは、“脱ぐ”と決めたオバサンたちの蛮勇にタジタジとなるオジサン（夫）たちです。撮影の日などには、パブに集まって酒をあおる始末。同病相哀れむと云う雰囲気には笑ってしまいます。当然“事件”は夫以外の家族に与えますが、まぁ笑って済ませる範囲です。高校生の息子としては複雑でしょうねぇ。

　誰が見ても楽しめる映画だと思います。オバサンたちのヌードもソフトタッチで、心配はありません（笑。

 

　 

 

　『クィーン』でオスカー始め主演女優賞を総なめにしたヘレン・ミレンが、このカレンダのアイデアを出す、やんちゃなオバサンを演じています。エリザベス女王とオバサンの落差にびっくりします。

監督：ナイジェル・コール

出演：ヘレン・ミレン　ジュリー・ウォルターズ