原題は、Tinker Tailor Soldier Spy。ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(1974)』の映画化です。
 東西冷戦が厳然として存在した時代の、イギリス諜報部(MI6、通称サーカス)に潜り込んだ‘モグラ’(二重スパイ)を炙り出す映画です。MI6が舞台ですが、ドンパチも無いし(少しはある)アクションもありません。プロットと会話で成り立っている映画なので、しっかり見ていないと何が何だか分かりません。
 2012年の公開当時この映画には「リピーター割引」という制度があって、2回目以降は1000円で見られたそうです。2回3回と見ないと分からない、2回3回見るほどに面白いということでしょう。

 モグラというのが、下っ端の工作員であれば問題ないわけですが、サーカスの幹部5人のうちのひとりです。諜報部の幹部が二重スパイというと一見荒唐無稽な話ですが、キム・フィルビーの例があり、イギリスでは現実的な話だろうと思われます。