小林市長の一族は、千年前に犬族と戦い、先祖が犬族に味方した少年(桃太郎?)に討たれたという因縁があります。市長は、犬への恨みから、感染症を引き起こして犬を感染源に仕立て抹殺しようと目論みます。ちなみに市長は背には大きな猫の刺青を彫っていますw。小林市長の再選を阻むのが、科学党の党首・渡辺教授。犬感染症のワクチンを開発しますが、小林市長に潰され挙げ句の果てに暗殺されます。市長の陰謀を見抜くのが、オハイオから来た交換留学の女子高生。同級生と犬党を作って陰謀論に対抗しと...。
ここまで来れば、小林市長はトランプ大統領のパロディだということが分かります。ウェス・アンダーソンは、桃太郎の鬼退治に引っかけてトランプを笑い飛ばそうとしたのです。舞台を日本に持ってきたのは、目眩ましかウェス・アンダーソンの日本愛なのかどうか...。
そんな政治的メッセージを抜きにしても楽しめます。デフォルメされた「日本」や、鬼退治のパロディは笑ってしまいます。そこまで拘るのであれば、秋田犬や紀州犬などの和犬も登場させて欲しかった!。ちなみに、ここぞというシーンのBGM『七人の侍』テーマですw。
『ダージリン急行』『グランド・ブダペスト・ホテル』の才人ウェス・アンダーソンならではのアニメです。アニメは、ジブリや「鬼滅の刃」で日本が世界を席巻しているかの観がありますが、チャーリー・カウフマン『アノマリサ』、シルヴァン・ショメ『イリュージョニスト』など世界にはけっこういいアニメがあります。
『ダージリン急行』『グランド・ブダペスト・ホテル』の才人ウェス・アンダーソンならではのアニメです。アニメは、ジブリや「鬼滅の刃」で日本が世界を席巻しているかの観がありますが、チャーリー・カウフマン『アノマリサ』、シルヴァン・ショメ『イリュージョニスト』など世界にはけっこういいアニメがあります。
オススメです。
監督:ウェス・アンダーソン