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映画 戦場にかける橋(1957英米) [日記(2012)]

戦場にかける橋 (1枚組) [DVD]
 「クワイ河マーチ」(ボギー大佐)ですね。TVで見たことはあるのですが、腰を落ち着けてみたのは今回が初めて。
 戦争映画というと、戦争の悲惨さや狂気を描いたもの、兵士の勇気を讃えたもの、戦争を背景に銃後のエピソードを描いたものなどなどいろんなバリエーションがあります。「戦場にかける橋」は、日本軍が英軍捕虜を使って泰緬鉄道の橋をかける物語を背景に、日本軍捕虜収容所長、英軍捕虜の将校、米兵などがからみ、それぞれが戦場に架ける「夢の架け橋」みたいなものを描いています。正統派戦争映画かなと思います。
ニコルソン大佐(アレック・ギネス
 英軍捕虜の最高指揮官。ジュネーブ条約を盾に将校として労役を拒否し営倉に監禁されるが、誇りを失わない硬骨漢。クワイ河に橋を架けることで捕虜の士気を高め誇りを取り戻させるために、後に日本軍(斉藤大佐)に協力。

シアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン
 アメリカ海軍の二等兵。英国兵ばかりの捕虜収容所で中佐を詐称している。収容所から脱走するが、英軍の要請で鉄橋を爆破するためウォーデン少佐とともにクワイ河に戻る。

ウォーデン少佐(ジャック・ホーキンス
 破壊活動等を任務とする特殊部隊の指揮官。クワイ河鉄橋爆破のためにシアーズをリクルートし、パラシュートでジャングルに降下、鉄橋に向かう。

斉藤大佐(早川雪洲
 捕虜収容所長。クワイ河の架橋工事の責任者。工期に間に合わせるため、捕虜のイギリス将校まで工事に駆り出そうとしてニコルソン大佐と対立。工事が不首尾に終わるようなら腹を切る覚悟を持つ古武士。後ニコルソンの協力を得て鉄橋を完成させる。

 まぁこの4人が主要登場人物なんでしょうが、ストーリーも映画もアレック・ギネスvs. 早川雪洲ですね。完成した鉄橋の上で、ふたりが自分の人生を振り返るシーンはなかなかいいです。ニコルソンは軍人になって28年、その間本国に帰ったのは10ヶ月未満云々。方や斉藤は、駐在武官としてロンドン?だか何処かで過ごした経験を懐かしく語る(シーンが違ったかも)。場所と時間が異なれば、いい関係を築けたかも・・・、というシーンです。

 最後は、シアーズの爆破が成功し、列車もろとも鉄橋は落ちニコルソン大佐も斉藤大佐も死にます。戦争の愚かさとか何とか理屈をつけることも出来ますが、描かれているのは戦場と云う世界で何かを成し遂げ何かを失った男たちのドラマです。鉄橋を架けることも鉄橋を破壊することも、事の善悪を問う必要の無いドラマです。
 実際の泰緬鉄道の建設は、捕虜、ミャンマー人、タイ人など何十万の人間が駆り出され、食糧不足とマラリアのためにその半数が死ぬという悲惨な工事だったようです。映画のようなきれいごとでは無さそうですが、映画があることによって泰緬鉄道が忘れられず後世に伝えられてゆくということは、いいことです。

監督:デヴィッド・リーン
出演:アレック・ギネス ジャック・ホーキンス ウィリアム・ホールデン 早川雪洲

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ktm

私はこの映画で初めて早川雪洲さんを知りました。
経歴がすごいですよね。

by ktm (2012-02-12 12:57) 

べっちゃん

「草分け」という言葉がぴったり来る俳優ですね。古い洋画に出演している日本人は「サンパブロ」のマコ岩松、「ロード・ジム」の伊丹十三がいます。
by べっちゃん (2012-02-12 19:00) 

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