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映画 手紙は憶えている(2015加独) [日記(2018)]

手紙は憶えている [DVD]  原題:Remember。90歳になる認知症の老人が、強制収容所アウシュビッツで家族を殺されたナチの将校に復讐するというホロコーストの後日譚です。

 老人ホームで暮らすゼヴ( クリストファー・プラマー)は、同じホームで暮らすマックス(マーティン・ランドー)からアウシュビッツのSS将校オットーへの復習を持ちかけられます。ふたりはオットーに家族を殺され、戦後70年が経って収容所者もナチも老齢となり、今やらなければ永遠に機会を失うというわけです。車椅子生活で自ら実行できないマックスが計画を練り、足腰のしっかりしたゼヴが実行する二人三脚。ゼヴは認知症で、昔のことは覚えているが直近の記憶は飛んでいるという設定がミソ。

 マックスは、オットーが”ルディ・コランダー”の偽名でアメリカに住んでいることを突き止め、ルディ・コランダーを4人にまで絞り込みます。認知症のゼヴは細かい計画を記憶することは困難であり、マックスは手順を手紙に書いて持たせ、ゼヴは腕に「手紙を見ろ」とボールペンで書きます。『博士の愛した数式』さながら。ゼヴはマックスの指示通り銃を手に入れ、マックスの手配したホテルに泊まり、列車やバス、タクシーを使って4人のルディ・コランダーの元を訪れます。

 1人目(ブルーノ・ガンツ)は北アフリカでロンメルの部隊にいた兵士。2人目は同性愛のためアウシュビッツに囚われていた元収容者。3人目は狂信的なナチズムの信奉者ですがSSの料理人で、3ヶ月前に亡くなっておりこれもシロ。4人目のルディ・コランダー(ユルゲン・プロホノフ)は、アウシュビッツの将校であった事実を認め、何時かゼヴが来ることを予測していたと語ります。そして、驚くべき真実が明らかになります。

 認知症をミステリーの小道具に使ったミステリーです。認知症を真ん中にすえれば、この映画の主題はホロコーストと復讐を越えてきわめて今日的な問題を孕んでいると思われます。
 クリストファー・プラマー(85歳)、マーティン・ランドー(87歳)、ブルーノ・ガンツ(74歳)、ユルゲン・プロホノフ(74歳)、と老人の映画です。第二次世界大戦が終結して70年が経つわけです。アウシュビッツの生き残りとSSの将校を現代に登場させるとなるとこうなります。

監督:アトム・エゴヤン
出演:クリストファー・プラマー ブルーノ・ガンツ ユルゲン・プロホノフ マーティン・ランドー  

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